はい、秋冬の読書期には恒例の史実文学ランキングを発表いたしましょう!

第1位 敵討 吉村昭
年末は赤穂浪士四十七士の<忠臣蔵>は華やかに彩色された歴史美談定番の筋。
吉村文学の敵討は<個>としてのリアルで決して美談とは語られない超ハイリスク選択をする話で季節感など全くなしの絶望と執念が全編に。
本当に心臓がバクバクして喉の近くまで上がりました。自分の素直なリアクションに驚き第1位。

第2位 海も暮れきる 吉村昭
これこそ漢のロマンだわ孤立と退廃芸術、そして餓死。誰もが成しえない超ストイックな<捨てきる>という選択をする詩人の話。<飛んで火に入る夏の虫>とはこの事でしょうよ。男子必読!
これは人生の謎と思ってます。決して自死ではない、何らかの崇高なんでしょう?
表題の通りに暮れきってました。

第3位 島抜け 吉村昭
吉村文学の快傑作<破獄>や<漂流>をご存知だろうか、ひたすらに破り、逃げる、生き延びるという人間本性文学を追求した史実のひとつです。
島流しにされ海に逃げて漂い大陸に辿り着き返され隠れて捕まり?生き延びる?緊張感あり過ぎて読了までにヘトヘトでしたのでメモリー&ランクイン。
なんだよ作者が全作いっしょじゃん!